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巻き戻し
【純愛 恋愛小説】

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巻き戻し-5

一人になった、私。
後味が悪い…。



確かに、言い過ぎた。
現に専門に行っているたっつーを前にして、あれはないだろ。
それにたっつーだって大学も考えてたって言ってたし。



たっつーは、私の初恋の人だった。
小学生ながら本気の恋だったし、少し大人びていたたっつーにはいつも憧れていた。

私が女子中に行ったことでたっつーとは離れたけど、同じ地区内に住んでいるため親同士のネットワークでたまにたっつーのことは聞いていた。

部活頑張ってるらしいとか、彼女出来たとか…。

高校に進んでからはさらに疎遠で、たっつーがレベルの高い共学の高校に入ったことくらいしか知らなかった。



でも、通学・帰宅の途中にたまに見掛けることはあった。

その頃にはたっつーもかなり大人になっていて、子供のそれよりかは立派な“男”を感じさせた。



携帯の連絡先を知らなかったのもあって小学校を出てからは互いに連絡を取ることは無かったが、少なくとも私のたっつーへの想いは変わらなかった。

小学生の時のたっつーも、それからたまに見掛けるたっつーも、変わらずにずっと気になっていた。

そして今久しぶりに会ったたっつーも…最初は気付かなかったけれど少しの話だけで十分、記憶の中身が蘇ってきた。

たっつーは思い出のままに変わらずに、いや、今はそれよりもカッコイイ。

もう完全に“大人”で、髭まで生やしているからか余計に男らしく見えるし、肩まで伸びたウェーブがかった黒のツヤ髪は色気まである。

それに他の連れの人達よりも服装もシンプルで、だけどシンプルなのに凄いお洒落っていうか少しルーズだけど着崩し方が上手いっていうか…これはきっとたっつーのオーラなんだろう。

同じ大学の男にはこんな想い持たなかったのに…。



それが、時と場合と場所はさてあれ再会出来たんだ…。
ちゃんと謝って、離れてた分もっと話したい…。



いつの間にか、私は自分がここに来たことに大切な意義を見出だしていた。

この時ばかりは実に感謝した。



バーベキューは、まだ始まったばかり…。


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