巻き戻し-4
「もう覚えてねーかな?俺だよ、広重龍目(たつめ)。たっつーだよ」
「……………………あっ!!」
思い出した!
小学校の時いつも一緒に遊んでた、たっつーだ!
「たっつー!すっっっっごい久しぶりじゃん!」
「あっ、思い出した?お久しっす」
「思い出したも何も…たっつー何してんの!?」
「いや、俺もあの合コンのメンバーなんで」
「そりゃ…そうだけど…ちょっと…意外なんだけど…」
「そう?」
「だって昔はそんな感じじゃなかったのに…」
「いつの話してんだよ…」
「そうだけど…」
「まぁなゆとは6年くらい会ってなかったからな。しかしなゆも変わったなぁ」
「…どこが?」
「んー、女らしくなったし、色気づいたんじゃない?」
「いつと比べてんのよ…」
「しかしほんとになゆとはね。自己紹介ん時もしやと思ったんだけどさ」
「私もたっつーと同姓同名の人だと思って気にはなったんだけどねー」
「まさかこんなとこでこんな形で会うとは」
「ね…。もっとマシなとこで再会したかったわー」
「マシ?」
「だって、私こんな合コンとか好きじゃないし」
「あぁ、成る程。まぁ俺もほとんど同意見なんだけど。別に騒ぐのは平気なんだけどさ、なかなかあいつらみたいにはしゃぐ気にはなれねー」
「その辺は変わってないねー。でもたっつー専門行ったなんて。頭良かったのに」
「だからいつの話してんの。まぁでも大学行くのも考えたんだけどね」
「じゃあ大学にすればよかったのに」
「なんで?」
「なんでって…専門なんてみんな頭悪そうだし。あそこの専門の人達も、ろくに勉強もできなそうだもん」
「なゆ、それすげー偏見。ほんと偏り過ぎだし。じゃあさ、大学行ったやつはみんな頭いいの?偉いの?」
「別にそう言ってるわけじゃないけど…」
「でもなゆの言い方からはそう感じる。正直腹立つよね」
「たっつー…ごめん…」
「まぁいいや。なゆも変わったんだよな。あ、俺、呼ばれてるし。あっち戻るわ」
そう言って、たっつーはみんなの所に戻って行った。
談笑しながら、輪に加わっている。