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エリザベスドール
【ホラー その他小説】

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エリザベスドール5-1

「やれやれ、一時はどうなるかと思ったよ」

 ため息付くルーク。

 気の荒いディックに執拗に問い詰められ、ホトホト参っていた。

 女の子に礼を言う。

「ありがとう、助けてくれて」

「礼なんて、イイわよ」
「確か君は…、隣りのクラスの」

「シェリー・ハイバーよ。アンタがルークね。
 キャサリンの恋人」

「え? 僕の事、知ってるの?」

「キャサリンから聞いたから。私、あのコとは親友なの」

「ヘェ、そうなんだ」

「ルークも、とんだ災難ね。被害者と最後までいたからと言って、犯人扱いされるなんて」

「仕方ないよ、あの2人…元々、僕とは折り合いが悪いんだし」

「ジミーも確か、そう言ってたわね」

「ジミーを知ってるの?」

「彼とは、恋人同士よ」

「ヘェ、それは知らなかった。初耳だ」

「みんなには、秘密にしているんだけどね」

「ジミーが死んだから、ショック受けているだろう?」

「まあね」

「なあんか、僕が犯人扱いされちゃってる」

「でもアンタはやっていない。…そうよね?」

「勿論だよ。でもディックもタックルも、僕が犯人だと決め付けている」

「私は信じてる。アンタはやっていない事」

「ありがとう。そう思ってくれて、嬉しいよ」

 ルークがこう言うと、シェリーは微笑んだ。

 笑顔がサイコーだ。

 そんなさわやかなシェリーにも、ルークは本当の事は話さなかった。

 やはり、人形が動くところを見せないと…状況は理解出来ないからだ。

 コレからどうしたらイイのだろう?

 考えた末、ルークはアースルに会って、事情を話す事を決めた。


 一方のエリザベスは…

 誰もいない夜道をトボトボと歩くエリザベス。

 街角に建つ公衆電話ボックスを見つけ、ドアを開けて中へと入った。

 備え付けの収納ケースに入っている電話帳を取り出すと、ゆっくりとページをめくり始めた。

 見つけたのは、或るページに載っている個人宅の電話番号と住所。

 エリザベスは目を付けた箇所に手を当てた。


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