エリザベスドール5-5
「な、何の用?」
「別に用事なんて無いわ。これ以上、ルークに近付かないで…って言いに来ただけ」
「勝手な言わないでちょうだい! アナタ、ただの人形でしょう!?」
「人形だから何?」
「飾り物の人形のクセに、人の恋人を横取りするんじゃないわよッ!!」
言ってしまった、強いセリフ。
「何ですって…」
やはり、相手を余計怒らせてしまったようだ。
(神様、助けて!)
心の中で、キャサリンは必死に祈った。
「お前を、殺してやる」
後退りするキャサリンに、鬼のような形相でゆっくりと歩み寄って行くエリザベス。
逃げようとキャサリンは向きを変えたが、エリザベスはサッと前に立ちはだかった。
そして、相手の首に手を掛けようとした。
…が!
キャサリンから強く蹴飛ばされてしまった。
慌てて逃げるキャサリン。
エリザベスから背後からサッと抱きつかれ、首筋を腕で掴まれた。
「助けてェッ!」
悲鳴を上げるキャサリン。
「キャサリンの悲鳴じゃないか!?」
居間でくつろいでいたジョナサンとマーベラが耳を済ます。
「キャーッ!」
一段とカン高い悲鳴が聞こえて来た!
「アナタ、泥棒でも入ったんじゃない!?」
不安になるマーベラ。
「こんな雨降りの寒い夜に泥棒ってかァ?」
ジョナサンは急いで2階へと向かった。
エリザベスは必死になってキャサリンの口を背後から手で押さえた。
更にエリザベスは、両手で相手を首を絞めようとした。
…だが!
バタン!
ドアが開いてジョナサンが慌てて入って来る!