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エリザベスドール
【ホラー その他小説】

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エリザベスドール5-4

 入浴を済ませ、寝間着に着替えたキャサリンは自分の部屋に向かった。

 2階への階段を上がった時、冷たい風が吹いて来て体が震えた。

 廊下の窓が開いていて、冷たい風と雨が吹き込んでいる。

 外は雨である。

 うう、寒い!

 キャサリンは慌てて窓を閉め…

 モップを持って来て、雨で濡れた床を拭いた。
 モップを片付け、自分の部屋に向かう。

 部屋のドアを開けた時、違和感を感じた。

 何故か床の絨毯が、水で濡れている。

 水をこぼした覚えは無いのだけど…

 いったい、何故?

 急いで電気をつけ、部屋の中を見回す。

 椅子に腰掛けている見知らぬ人物にキャサリンは仰天!

「誰!?」

 濡れたままの怪しげな人物は立ち上がりキャサリンの方に振り向いた。

 キャサリンは目を見開いて、立ちすくむ。

 フリルの付いた長めのスカートのドレス風の赤い衣装と赤い帽子…

 いかにも、年代物風の格好した女の子に、見た目に違和感を覚える。

 まあ…

 違和感を覚えてしまうのもうなずけるだろう。

 キャサリンの目に映ったのは、女の子の姿をした…


 人形なのだから。


 しかも、ルークの家にあったエリザベスとか言う人形と何だか瓜二つ。

「お邪魔して悪いわね、キャサリン」と女の子は喋る。

「喋る人形…!?」

 耳を疑うキャサリン。

 まぎれもなく、そこにいるのは喋る人形だ。

 人形は片手で髪をかき分けながら話しかけて来た。

「私の事、覚えているわよね?」

「エリザベス…」

「そう、私はエリザベス。ルーク・ハリーの恋人よ」

「!?」

 キャサリンは夢を見ている気分になった。

「別に、驚く事ないでしょう?」

 エリザベスは余裕の表情で、堂々とした態度。

 反対に、キャサリンは奇怪な人形を目の前に恐怖を味わっている。


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