エリザベスドール5-3
「今のままですと…
お嬢様の霊はずっと人形に宿ったまま、彼を愛し続け…どこまでも追い求めて来るでしょう」
「じゃあ…、ジーナと言うコと一緒になれば…
回りに迷惑掛けなくて済むかも」
ルークの考えである
その考えに、神父は反対の立場を取った。
「君の判断には、私は賛成出来ないね」
「何故ですか?」
「君が一生、お嬢様の霊に振り回されてしまうからだ。下手をすれば、取り返しの付かない事態になるかもしれない。
それでもイイのかな?」
「…」
アースルは心配気に言う。
「君の人生や将来が、私の娘に依って影響を受けてしまうなんて、シャレにもならないよ」
「じゃあ、どうするんですか?」
アースルは考えた末、1つの決断をした。
「人形を一刻も早く見つけて、焼く事にしたいと思っているんだがね?
神父の考えは?」
神父は頷いて…
「それがベストでしょうな」
夜…
霧雨の中をずっと、歩いて来たエリザベス。
着いた場所は、大きな屋敷の前。
ジッと屋敷を見つめる。
「覚悟なさい、ブス女」
ロバーツ家の自宅では少し遅めの夕食の真っ最中だった。
家族と一緒に食事中のキャサリン。
恋人が出来て、今はハッピーな気分。
父親のジョナサンがルークの事を色々と質問した。
母親のマーベラと同じように、ルークを好意的に思っているのだ。
「たまには、ウチに連れて来たらどうだ?」
「イイの?」
「構わないサ。一緒に食事でもしたいよ」
「きっと彼、喜ぶわ」
この夜の家族の団らんでは、ルーク・ハリーや学校の話題に話しが盛り上がった。