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DMAI0
【コメディ 恋愛小説】

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DMAI0-1

ある商店街を男女7人が歩いている。
「で、この商店街を通らないと、駅からどこにも行けないんですの。いっぱい人がいるでしょ。皆真っ直ぐ行ったり左右に曲がったりお店に入ったり。この商店街はこの街の玄関ですわ」
「はい」
「じゃ、行こう!」
集合してから、事細かに説明をしているのは八幡のり。その説明対象は芝山アムネシア。 最後に掛け声をかけたのは野田翔太。
「夏休みなのにこの街に来るとはねー」
「ま、いいじゃん!どうせ暇なんだし!」
「確かに暇だな」
「っつってもなんでおれらが………」
のーんびりと言ったのは松戸恵美。ハキハキと受け答えたのは成田陽子。静かに分析したのは市川大輔。最後にぼやいたのは船橋一。
「ほら、あなたたち遅いですわよ!わたくしたちがアムネシアに高校近辺を案内しなきゃいけないんですからね!」
「っつってもなんでおれらが!」
「担任が言ったからじゃなーいー?」
「一、いつまでも文句言ってるな。アムネシアの立場を考えろ。」
「そうよ、一、早く行っちゃいましょ」
一が文句を言うと恵美、大輔、陽子に説得される。
「すいませんね、おれのせいで」
「いいのよ、アムネシアが謝らなくて!さ、行きましょ」
のりが再び号令をかけ7人は歩き出す。



「ここは有名な観光地でしてね、商店街にはお土産がいっぱいあるんですの」
「へぇ」
「わたくしたちの学校は幼稚園から大学まで一貫でしてね、どの段階も一流なんですのよ。こんな変なやつらでも勉強だけはできますのよ」
「おれを除くなら、合ってるな」
「何言ってんだ!大輔が一番変だ!天才過ぎて変だ!」
「えー、あたしたちもー?」
実際は、皆変わり者なのだ。

大輔は頭がよく、模試で1位以外をとったことがない。
翔太は運動神経がかなりよく100メートル、跳躍類はオリンピックの記録を超えている。部活をやっていないため、世間には知られないが。
陽子は五感がすぐれている。すぐれているレベルではない。嗅覚は犬と互角レベルにまでなれるらしい。普段は抑えている。
恵美は大手企業の社長令嬢で、お小遣いでコンビニの品物全てを買える。
のりは武道に長けている。噂では過去に男子校を1人で潰したらしい。
そして、一は何か不思議な力を持っているらしい。これは本人も周りもよくわかっていないが、5人の個性をはるかに凌駕しているのは確かだ。
「アムネシアは何か個性あんのかい?」
「ハーフぐらいですかね」

アムネシアはこの夏休みに入る直前に一たちの学校に転入してきた。
だから一たちが担任に頼まれて街案内をしているのだ。一たちは学校中から一目置かれた存在なので、いろんなことを頼まれるのだ。
こんな用件は楽なもので、融資を頼んできてくれという依頼もあった。

だから、今街を歩いていても道行く人は一たちに憧れの眼差しを向けている。

「ハーフって新しいキャラだなぁ」
「そうね、アリよアリ」
「何かとんでもねぇこと思い出すかもよ?」
「何かって、なーにー?大輔ー」

といっても本人たちは奢ることはなくマイペースなのだが。


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