エリザベスドール4-6
「人形の事って、何か話し合いでも?」
「僕が持っていた人形がいらなくなったから、ジミーにどうしようかと、相談していたんです」
「君が持っていた人形って、どんな人形なんだ?」
「コレです」
ルークは自分のケータイを開くと、データフォルダーに入れている人形の写真画像を警部に見せた。
「買ったのかね?」
「ええ、骨董屋で安く」
「折角、手に入れた…こんな立派な人形を手放すとは…勿体ないな」
「ウチに置いたおくのが邪魔だったもんで」
「それで被害者が持って帰ったってワケか」
「捨てて来てやるよ…って、アイツは言ってましたから」
「被害者は人形をどこかに棄てた後に殺害されたかもしれないね」
警部はこう、推理をしたが…、ルークは大胆な推理をした。
エリザベスが…
犯人。
奇怪な現象を目の当たりにしていたルークにとっては想像付く事だが…
警部に話しても信じてくれるハズがない。
エリザベス人形が動き、喋る様子を見ない限りは…
「オメェ、事件について何か心当たりあるんじゃねえのか?」
学校でルークはディックから激しく問い詰められた。
大事な仲間が殺されて、ディックもタックルも大変なショックを受けているのだ。
「別に、ないよ」
「隠すなッ! 正直に言えよッ!」
「本当だったら!」
「ルーク、オメェが犯人じゃねえのか?」
と言ったのはタックル。
「人聞きの悪い事言うなッ! 何で僕が!?」
ディックはルークに顔を近付け、指を差しながら言う。
「動機は十分、あるじゃねえか。ジミーのヤツ、僕の人形趣味の事にしつこく口を出して来る。
しかも、僕の愛するエリザベス人形を勝手に処分しちゃった。
だから殺った。
そうだろう!?」
「違う! とんだ言い掛かりだッ!」
ディックはカッとなって、ルークの胸ぐらをら掴んだ。