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エリザベスドール
【ホラー その他小説】

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エリザベスドール4-5

 キーが付いたままの状態で放置されている。

 しかも、助手席の窓ガラスが粉々に割れているではないか。

 車内を覗き込んだが、誰もいない。

 シートやダッシュボードや割れたガラスの破片が散乱していた。

 床には缶が転がって、中身がこぼれている。

 気になるのは…

 シートやダッシュボードに多量の血がべっとり付着している事だろう。

「ジミーに何があったんだ? まさか、エリザベスに…」


 シートの端に1枚の布キレが落ちている。

 エリザベス人形の衣装と同じ柄物である。

「ジミー、どこにいるんだッ!?」

 ルークは必死になって辺りを探し回った。

 ガードレールから崖下辺りをライトを照らしながら見渡してみる。
いた!

 約10b下辺りの木々の根元にうつぶせ状態で横たわっているジミーの姿があった。

「ジミー!」

 ルークは慌てて崖下に降りて行った。

 ジミーは既に…、





「ジミーのヤツ、殺されたみたいだぜ!」

「ブリスの森で、死体となって発見されたみたいよ!」

 学校内ではジミーの話題で持ち切りである。

 殺害時刻は一昨日の夜の11時過ぎ頃…

 死因は絞殺に依る窒息死。

 犯人は途中、どこかの場所か…

 或いは現場で被害者を待ち伏せして殺害したのかもしれない。

 互いに争った形跡はあるものの、貴重品とかには手を付けていない事から強盗目的に依る犯行ではないようだ。

 怨恨による犯行か?

 事件の捜査を進めるのは市警察のモリス警部。

 第1発見者のルークを重要参考人として18分署に呼んで、事件当日の事を詳しく尋ねた。

 警部の質問にルークは、人形の事でジミーを自宅に連れて来た事。

 そのジミーは帰宅する際、人形をクルマに積んで行った事。

 自分はその後、1歩も外に出ていない事を詳しく話した。

 警部の質問は続く。


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