“異聞" 老木との約束-13
( もしかして・・・私達がこうなったことを祝福してくれているのかしら・・・)
まつが絶頂を迎えた瞬間、彼女の周りを渦巻いた花吹雪。
まつにはあの花吹雪こそが、
老木がまつや慶次に示した“意思表示"のように思えてならなかった―――
―――月夜の下で 静かに時間が流れていく。
互いに生まれた時の姿で横になっている1組の男女は、
桜の木の下で ただただ無言で、
この貴重な時間に身を委ねていた――――
――― 完 ――――