“異聞" 老木との約束-10
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“・・・・慶次殿の両手は 本当に大きくて、温かい―――"
下からゆっくりと柔らかく愛撫してくれる私の胸から それが伝わってくるかのよう――――
今私の中に、慶次殿がいる――――
動くたびにより逞しくなっている まるでその生き方のよう―――
こうして 貴方と身体を重ねることができるなんて、まるで夢―――
“醒めて欲しくはない。
でも いずれ終わりがくる。"
“終わりが来るからこそ、
私はこの一瞬をより深く味わうことができるのだ――――"
“ああ、慶次殿――――"
“私は 今までの人生で
一番素晴らしいと思える時間の中にいます・・・"
“今は前田家の国主夫人としてではなく、
“貴方に命をかけていただいた 1人の女として、
貴方を感じていたい―――"