エリザベスドール3-4
キャサリンはその後…
自ら積極的にルークをデートに誘ったりした。
最初の頃はどことなくよそよそしかったルークも、段々と心を許すようになり…
キャサリンへの思いが強くなった。
お互いの気持ちが深まるようになった来る。
ルークはキャサリンを、初めて自宅に連れて来た。
「うわあ凄ーい!
こんなにイッパイ!」
自室に飾られている人形の多さにキャサリンはビックリ!
「全部、コレクションで集めた年代物の貴重な人形なんだ」
自身のコレクションをルークは自慢気に説明した。
他人に見せるなんて、ルークは最初は戸惑ったけれど…
キャサリンに気に入れられたし、心配は無用だったようだ。
「これって、高そうな人形ね?」
キャサリンが眺めているのは、エリザベス…
キッチンの片隅に置かれた木製チェアの上に鎮座している人形にキャサリンは興味津々である。
「骨董品屋で買った安物だけどね」
「安物にしては随分と、レトロな人形ね?」
「かなりの年代物らしいけどね」
「何年前の物?」
「分からない」
「分からないの?」
「製作年月日や製造元に関するデータが一切、見つかってないから…
人形の出所が全く分からないんだ」
「謎に包まれた人形ってワケね」
「まあ、そんなところ」
「だからかしら?」
「何?」
しゃがみ込んでジッと人形の表情を覗き込みながらキャサリンは言う。
「このエリザベスって言う人形、すっごくキレイだけど…何だか薄気味悪い感じがするわね」
「薄気味悪い?」
キャサリンの、人形に対する予想外の評価…
とっても気になる。
「顔の表情が、すっごく怖いし」
「怖い?」
「見てみて」
言われるがままに、ルークは人形の顔を覗き込んでみた。
なるほど…
キャサリンが言う通り、確かに人形は怖い表情をしている。
キッと相手を睨み付ける目をしているから、怖い表情に見えるのだ。