エリザベスドール3-3
1人取り残されて、ポツンと佇むルークに女の子が歩み寄って来る。
「あなたがC組のルーク・ハリーね?」
「え? あ…うん」
いきなり相手から話しかけられ、ルークは引いた。
女の子はルークの手を取って、ギュッと握りしめる。
「初めまして、私はE組のキャサリン・ロバーツ。宜しくね」
笑顔がよく似合う、積極的な女の子だ。
「は、初めまして」
ルークの方は淡々とした口調で、控え目な態度を取った。
可愛いコだけど…
ルークはまだ、心がときめくって言う気持ちにはなれないのだ。
「悪くないんじゃねーの、この2人。丁度イイ、カップルだ」
少し離れた木陰から2人の様子を見るディックの表情が明るい。
反対に、タックルの方は表情が暗い。
「でも見ろよ…、ルークの方はあまり…乗り気じゃないみたいだぜ。
あのコで大丈夫なのかジミー?」
ジミーは自信たっぷりに答える。
「キャサリンの方がルークにぞっこんなんだ。
絶対に自分のモノにしてみせるって言ってたから、心配ないさ」
「ルークに惚れてるなんて、珍しいじゃねーか」
意外な事実にタックルは驚きである。
ジミーが真相を説明した。
「ああ見えてもルークのヤツ、意外と女の子にモテモテなんだ」
「あんなひよっコがか? まさか」
タックルは信じられないって顔をした。
だが本当にルークはモテモテなのだ。
タックルが言うように、確かにひよっコだが…
イケメンだし…
女の子の母性本能をくすぐるような内面性を秘めているから…
女の子にモテモテなのである。