Lesson xxxU E-5
「征…也…!」
「この前のは襲われたんじゃなかったんだな?」
「あっ……そ…それは…」
「同意の上なら俺は余計な心配しなくていいってもんだ。あいつに伝えといてくれよ。誤解して悪かったってな」
彩に騙されたのは俺が甘かったからだ。
別に彩に腹を立ててる訳でもない。
もう俺の知ってる彩じゃないってだけの事だ。
「征也っ!」
開き直ったのか俺を真っ直ぐ見つめる。
「私…言ったよね?征也と別れたのずっと後悔してたって」
「征也の事忘れようって…他の人とも付き合ってみたけど全然だめで…。それならもう身体だけの関係の方が…一時の快楽でもその時だけは征也を忘れられるって…」
「征也のせいだよ?私がこんな風になったの…。ねぇ…私を助けてよ…」
縋るような彩の目が俺には疎ましかった。
男を漁るのが俺のせい?
冗談じゃない!
確かに忘れられない想いってのはあるかもしれない。
それを抱えて生きるのもいいだろう。
男に身を任せてその想いを紛らわすのもいいさ。
でもそれは彩の一方的な想いで俺の想いはもう彩にはない。
「もし…俺が彩の元に戻ったとしても…俺の想いはもう別の処にある。それでも俺が必要なのか?」
「えっ?」
「俺と今まで彩が相手にした男とにどれぐらいの差があるんだ?」
「征也?」
困惑した表情で彩は俺を見る。
「俺を手に入れたとしてもこの前と同じ結果だと思うけどね」
勃たなかったのを思い出したのか彩の顔が曇った。
「だったら!どうすれば征也を忘れられるのよ!?」
悲痛な彩の叫びにも俺はもうため息しか出ない。
「それを別れた男に聞くのはお門違いだろ」
「酷…いっ…!あの子がいるからっ…!あの子さえいなきゃ…!」
彩の柳眉が逆立ち醜く歪む。
俺は彩の腕をきつく掴んだ。
「きゃっ!」
彩の目が痛みで歪み俺を責める。