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【純愛 恋愛小説】

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「出るかなー…時間ギリだし………………あっ、もしもしお疲れ様です、広神です。…あっ、鷹丸?うん。今は鷹丸だけ?あっ、マジ?あーあのさ、武弘さんいる?変わってほしいんだけど」



鷹丸くんに武弘さんって……ショップに電話してるんだ。

でも何で?



「あっ、もしもしお疲れ様です、広神です。…はい、はい。あのですね、この前の雑誌撮影の件、どうにか日にちを変更していただけませんでしょうか?はい…どうしても外せない急用が入ってしまいまして…申し訳ございません…はい、はい。その前日でしたら…、はい、はい。…あっ、ありがとうございます!はい!分かりました…はい!ありがとうございます!はい!失礼します!………ふーっ……」

「…義斗?」

「この前の約束、覚えてる?」

「え?あぁ、デートするって…でも義斗は仕事で…」

「あれ、行ける。日にち変えてもらったから」

「えっ……いいの?」

「うん。武弘さんに話したら、その前の日に撮影することにしてもらったからさ。だから行けるよ」

「義斗…」

「いやー…武弘さん、やっぱちょっとおっかなかったわー…。逆に最初に鷹丸が出てくれてよかった…」

「義斗……ありがとう…」

「ん?あぁ。まぁまたキレて出て行かれたらたまったもんじゃないし」

「…根に持ってる…?」

「こんな綺麗なお嬢さん逃がしたら次は無さそうだからさ」

「もぅっ…」

「…慧、大好きだよ」

「……私も、義斗のこと大好き」



抱き合った私達を、あの香りが優しく包み込んでくれた。



義斗の温もりもこの香りも、もう離さない…。



夜、私は包まれて眠った。

義斗と、“MOON”に…。


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