超最強嫉妬彼女 前編-1
「先輩、私と付き合ってください!!」
まただ。
「わりぃ、俺、彼女は作らないことにしてんだよね」
もうこの台詞を口にするのは何度目だろうか。
「えっ」
別に驚いたふりしなくても、全て知ってるんだろうが。
「その代わりってわけにはいかねぇけど、今夜だけなら相手してやるよ」
まあ、見た目は可愛いし、今日はこいつでよしとするか。
「えっ、あっ、えっと、お願いします!」
こうして、また労せず女が釣れた。
あぁ、俺はいつもこんなん。
ただ偶然、容姿端麗な男に生まれてしまっただけだ。
俺は自分があんまりモテるもんだから、いつからか彼女など作らずに女をとっかえひっかえ。
今みたく勝手に女が寄ってくるもんだから、馬鹿らしくなってんだな。
一人の女とずっと一緒なんて時間の無駄。
今では学園史上最低最悪の遊び人とまで言われ、風紀を乱す生徒の筆頭等々、悪評が絶えない。
だから常に教師に睨まれてたりする。
だけどやっぱりしょうがねえ。
俺はまだジューハチだし、遊びたい年頃なんだよ。
まあ、それに嫌でも女が寄ってくるんだもんよ。
***
「見てよ、また阿川くん女子に言い寄られてる」
「あの子もヤられてポイなんだろうね」
「でもあの子は絶対喜んでるんだよねー」
「あたしもあの子くらい可愛かったら阿川くんに声かけるんだけど」
「わかるー、今じゃこの学園では阿川くんと寝るだけで自慢になるもんね」
「普通なら最低な男だけど、あそこまでかっこよかったら流石に文句は言えないよねー」
そんな会話が毎日嫌でも耳に入る。
最初はうぜえと思ったが、今では賛美の声にしか聞こえない。
どの女も振られるとわかってて告ってくる。
だが、今廊下ですれ違った女達の言うとおり、最早、今では俺と寝るのが一種のブランドと化しているのは事実。
そんな傲慢な考えが俺にはあった。