超最強嫉妬彼女 前編-9
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翌日も本藤から声をかけてきた。
今日は随分と様子がおかしかったが。
「お…おはよ」
「おう」
「あ…あのさ…昨日の手紙…」
「あー、読んだぞ」
それを聞いて、最初から赤かった本藤の顔はより真っ赤になった。
「ちゃんと…残ってよね…」
「わかってる」
わけわからんやつだが可愛いお前を抱けるのならな。
そのまま本藤は挙動不審な動きを見せながら席に着いた。
放課後もそうだが、今夜が楽しみだ。
***
所詮は高校生活、そうそう何かが起きるわけでもなくあっという間に放課後を迎えた。
「で、なんだよ」
俺は振り返る。
「うわっ!待ってよ!まだ他の人がいるから!」
本藤は盛大に騒ぐ。
これじゃ逆に目立つだろ。
やがて教室にいた生徒は皆いなくなった。
だが、本藤は未だに黙っている。
「…早くしてくれ」
俺はいつもなかなか決心のつかない女には溜め息を吐いてからこう言って焦らせていた。
「…待って」
本藤はあっさりと引っかかる。
そして言った。
「公也…私、公也が好きなの」
「…」
「だから…付き合ってください」
本藤は頭を下げた。
真っ赤な顔は見えなくとも、耳はひどく赤くなっているのが見える。
「……悪いけど、俺は彼女作らないようにしてんだ」
「……っ」
お決まりの台詞。
よし、とどめだ。
「……でもよ、俺とお前の仲だし今夜は相手し」
その時だった。
突如、視界いっぱいに本藤が映った。
あれ…
そう思った瞬間。
「ぐほあっ!!」
腹にとんでもない激痛が走った。
たまらずその場に跪くと、目の前には本藤が立っていた。