超最強嫉妬彼女 前編-6
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「おはよ」
「……」
翌日、本藤に声をかけられることはもうないと思っていたが、本藤は朝一番に挨拶をしてきた。
ずっと思っていたが、本当に本藤の考えがわからない。
俺のことが好きなのか…
ただ興味本位なのか…
「昨日の話を聞いて引かねえのかよ」
「昨日はどこ行ったの?」
同時に話をかけてしまう。
「ラブホに決まってんだろ」
「引かないよ」
また同時。
こんな恥ずかしいことがあるもんだ。
「偶然だね」
「……」
照れたように笑う本藤。
それにしても、なんで引かないんだよ。
お前みたく遊んでない女はこんなこと聞いたらドン引きだろ。
結局、俺はそれから一言も発さずにその場は終わった。
その後はめずらしいことに、一時間に一回は話しかけてくる本藤が今日一日話しかけてくることはなかった。
どうやらこいつは本当に気まぐれのようだ。
***
翌日もまた何事もなかったかのように笑顔で話しかけてくる本藤。
だがいつの間にか、なぜかその状態に慣れつつある俺がいた。
「公也はお昼どこで食べてるの?」
「学食」
「一人で?」
「ああ」
「じゃあ今日は一緒に食べよう」
「はあ?」
また突拍子もない。
「いいよね?」
うわ、やっぱり可愛い。
そんな顔すんなよ。
結局、昼休みは二人で学食へ向かった。
「初めて来た、前の学校は学食なかったから」
「……」
食堂に入った途端、周りの視線が痛い。
遊び人と美人転校生が二人で現れたんだ。
無理もないが生徒は皆こっちを見ている。
だが、どうやら本藤は全く気にしていないようだ。
さっきから券売機とにらめっこしている。