超最強嫉妬彼女 前編-5
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「公也はどの辺りに住んでるの?」
相変わらず、本藤の質問はいつも突然で突拍子もない。
「…川沿いのマンション」
「そうなんだ、あたしも川沿いなんだよ」
「……あっそ」
「ねえ公也、一緒に帰ろうよ」
放課後、本藤は俺を捕まえた。
相変わらず顔は赤くて無理してんじゃねえかと思う。
「俺、用あるから」
「用?よかったらついて行こうか?」
なんでついてくんだよ。
しょうがねえからわからせてやるよ。
「女待たせてんだよ。今日も明日もずっと」
さすがに毎日ということはなかったが、理由は間違ってない。
「……彼女いるんだ」
しゅんとした顔をする本藤。
やっぱりこいつの顔は可愛い。
つーかこいつ、俺の噂を知らないのか?
「いねーよ」
「え?」
「俺は毎晩いろんな女をとっかえひっかえ抱いてんだよ!まさか知らねえのかお前!」
なんだかイラついてしまう。
「……噂は聞いてたけど、それが本当だとは思ってなかった」
はぁ?
「俺がそんなやつだって見た目でわかるだろうが」
「…わかんないよ」
いや俺がわかんねえ。
こいつはこの数日、俺のなにを見て声をかけてたんだ?
どう見ても遊び人だろうが。
「公也はそんな人じゃないと思ってるよ」
だが、真顔でそんなことを本藤は言いやがる。
「うるせえ!」
なんかすげえイラつく。
俺はそのまま一度も振り返らずに学校を出た。
本藤…この女はマジでわけがわからない。