超最強嫉妬彼女 前編-2
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今日もいつもと変わらない朝のホームルームを迎える。
そのはずだったが、今日は違うらしい。
どうやら転校生が今日からこのクラスに入るんだとか。
教室は早くもえらくざわついていて、淡々としゃべっている担任の声が聞こえないほどだ。
しかし、しばらく担任が話を続けた後、急に教室が静まり返った。
いよいよ登場か。
皆、視線が教室のドアに集中している。
そして、一人の女子がゆっくりと教室に入ってきた。
その姿を見た男子生徒は大盛り上がり。
またも教室が喧騒に包まれた。
その転校生は、あまりにも美人だったからだ。
いや、可愛いという言葉が似合う。
背は小さくて長い黒髪、色白で目はくりくりとしている。
この俺が、本当に自分から抱きたいと思うほどに可愛い。
つい、俺もじっと転校生を見つめてしまう。
しばらく喧騒が続いたものの、転校生が頭を下げると、また教室は静まり返る。
まったく忙しい奴等だ。
「本藤花耶といいます。よろしくお願いします」
ほんどう…かや…
いい名前だと思った。
すると、ふと壇上で教室を見回している本藤と目が合った。
「……!」
その瞬間、ボッと顔を赤くする本藤。
まあ、当たり前の反応だわな。
俺を初めて見た女は誰でもこんな反応を示す。
その後、偶然にも本藤は俺の後ろの席に座ることが取り決められた。
とは言っても俺は一番後ろの席で、たまたま広めのスペースが俺の後ろにあったからだ。
周りの男子は一斉にブーイング。
そりゃ、転校生であってもそうでなくても、可愛い子が俺の近くに座れば、誰かが手を出す前に俺のものになるからな。
まあ俺から手を出すことはないんだけど。