複雑な日常…-1
低血圧の私は朝は超機嫌が悪い…それなのに…!!と朝からキレてるのは田中莱夢(たなからいむ♀)県内の高校に通う2年生。顔はかわいいのに、性格が…勝ち気なのが玉にキズ。
「なんすか?!先輩がたっ!」莱夢はとりあえず聞いてみた。まぁ理由はわかってるんだけどね(笑)
「昨日の放課後、誰と帰ったわけっ?!あれほど言ったのに…」
4人で莱夢を囲っている先輩が詰め寄ってくる…
「淳夢ですけど…!なにか?!」莱夢は溜め息まじりに答えた。
淳夢(あつむ♂)とは莱夢の双子の兄である。今莱夢が囲まれてるのは、【淳夢ファンクラブ】の方々。
ファンクラブって古いだろ…と思いながらもイライラは収まらない!っつーの!
「淳夢サマに近付くなと言ったでしょう!!」ヒステリー気味に叫びながら、殴りかかろうとしてくる先輩。
とそこへ…
「朝から、なにやってんの?」ん…??全員が振り向くと、そこには…
「淳夢サマっ!」
「淳夢!!」
同時に叫ぶ5人。すぐに莱夢は淳夢に駆け寄った。
「淳夢〜、いじめられたぁ」とかわいく言うと、淳夢は抱きしめつつ先輩をキッと睨みながら「家の妹いじめたのダレ?!」冷たく言った。ゾッとするほどに…「な、なんにもしてません!」先輩達は逃げてしまった。
「莱夢??大丈夫だった?」頭を優しく撫でながら、腕の中にいる妹に聞いた。
「怖かったケド大丈夫だよ!」甘えながら言う莱夢。田中と言う名字なので二人が双子なのを知るものは少ない…お陰でこうゆう目にあってしまうのである。兎に角、シスコン&ブラコンな二人である。だが莱夢には伝えられない想いがある…『淳夢が好き』である。勿論、兄弟愛ではない。一人の女として愛しているのである。
ねぇ淳夢?私の事好き?妹として?女として?抱きしめられながら、心の中で呟く莱夢でった。言わなきゃ伝わらない…でも言えないよ…『兄妹』なんだもん。好きな人に『好き』って言える人が羨ましいよ…
私の心は雨模様。今日の秋空みたいに、どこまでもどこまでも真っ青な心にいつになったら、なれるのかな?