エリザベスドール2-5
「何だい?」
「お前、ルークに誰かイイ女の子を紹介してやれよ」
「オレが?」
「このままじゃ、アイツはダメになっちまう。
今のうちに、生身の女の子と接する機会を与えとかないとな」
「俺も今、それを考えていたところ」とジミー。
タックルが言う。
「とびっきりイイ女の子を紹介してやれよ」
「大丈夫、任せなって」
ジミーは自信満々だった。
学校では顔が広く、女の子との付き合いも多いから…
女の子を1人、世話するなんてワケない。
さて…
ルークには、どんなコが相応しいだろうか?
夜…、
ルークは机に向かって教科書を読んでいた。
好きな音楽聞きながらの勉強は意外と、はかどるものである。
部屋の片隅には、エリザベス人形の姿がある。
椅子に座ったままうつむき加減の状態で置かれていた。
異変は…
既に始まっている。
人形は突然、首が動き出してルークの方に振り向いた。
ゆっくりと立ち上がるエリザベス。
人形が動いているなんてルークは気付いていない。
教科書と音楽に夢中になっているからである。
カタッと言う音に気付いて振り返った時は…
人形は元の状態のままになっている。
エリザベスが動き出すのは大体、ルークが寝ている時か…
昼間の留守時が多い。