エリザベスドール2-3
「え? まさか本当に彼女、出来たのか?」
「うん、まあね」
複雑な思いになるルーク。
彼女とは…
あの人形の事だけど…
「やったじゃねえか!」とジミーは大喜び。
相手の女の子について色々と聞く聞く。
巧みな話術で場を盛り上げるのが結構、上手いジミー…
悪く言えば、口が軽いヤツだ。
ルークの事をベラベラと回りに言いふらして行ったし。
まいったな…。
だが幸い(?)な事に、ジミーが言った事は誰も信用しないようだ。
「バーッカ言うんじゃねーよ! 内気で臆病なルークに、彼女なんて出来るハズねえだろう!」
デカい声でこう言って笑うのはディック・ブラウンってヤツ。
ルークのクラスにいる男で、とても意地悪で乱暴者だ。
背が高く、ガッチリとした体格だし…
ケンカは滅法強い。
ルークが相手になれば、ほんの数秒でコテンパンにやられてしまう。
数十人の不良仲間が集まるチームのリーダーやってるから、ディックに怖いものナシなのだ。
その相棒でチャラチャラしているタックル・ベリーがルークに質問して来る。
「おいルーク、本当にお前に彼女出来たのか?」
「うん? うん、まあ」
「ホントかよ?」
「別に、信用してくれなくたって構わないよ」
「よーし! お前の彼女とやらに会わせろ!」
ハァ?
「ぼ、僕の?」
「ひよっコのお前を好きになった物好きな女の顔をな、拝んでみたいもんだ」
「…」
ルークは少しばかり困惑した。
新しい人形を皆に見せるってワケ?
考えても、みなかった事だ。