エリザベスドール2-2
ルークはロベカル市内郊外のアパートに1人で住んでいる。
両親は隣街のメイベルに住んでいて、ルークは高校に通う為に1人暮らししているのだ。
何もかも1人でしなければイケないから、色々と大変だ。
でも…、
1人暮らしだから、誰に気兼ねする必要もなく自由気ままに過ごせるメリットがある。
人形はルークのベッド近くの椅子に置かれた。
彼女のいないルークにとってはエリザベスはまるで、恋人か妹みたいな存在と言える。
毎日のように人形に話しかけたり…
キスをしたりするのが日課となった。
人形の恋人が出来たからか…
ルークは学生生活に張り合いが出て来た。
ついつい、笑顔も出てしまう。
そんなルークの浮かれ具合を友人たちが気付かないハズがない。
ルークが通う市内のウルトン高校…
2時限目の授業が終わった。
教科書類を片付けるルーク。
クラスメートのジミー・ゴールドが抱き付いて来る。
「よおォ、ルーク!
お前この頃、何だか楽しそうじゃねえか?」
「僕が?」
「何かイイ事でも、あったか?」
「いや、別にないけど」
「ウソをつけ! いつも不機嫌なお前がよ、珍しいじゃねえか!」
不機嫌なんて言われて、あまりイイ気はしないけど…
まあ、ジミーの言う通りだろうか?
新しい人形が手に入ったし。
「珍しいかな?」
「何があった?」
「別に何も?」
「隠すなよ」
「別に隠してないけど」とルークは苦笑い。
本当にないのだけど…
ジミーは納得しない。
「彼女が出来たなんて事はねーよな? お前に女なんて縁がないしよ」
「ハハハ」
内心、カチンと来たルーク。
確かにこれも、ジミーの言う通りだ。
女の子との付き合いなんて、最初から興味はないんだけど…
縁がないなんて…頭ごなしにこう言われてしまうと、カチンと来る。
でも怒らず、苦笑いしながら聞き逃すだけ。