心霊ファイル…怨み5-4
私も含め、真澄さんやルリ子さん、歩美さんは誰一人…
友里恵姉さんの特殊霊力には気付いていない。
霊は光の粒子に包まれて段々と消えて行った。
しばらくして、仁美さんは目を覚ました。
霊が抜けた後は極度の疲労が襲い…
物凄い汗と高熱を出して、そのままグッタリと寝込んでしまった。
どうやら…
霊に体を扱い回された挙げ句、相当な体力消耗を起こしたのが原因のようだ。
「一歩遅かったら生気まで奪われて、命を落としていたかもね」
杏里の説明である。
グッタリとなる仁美さんだけど…
表情はとても、穏やかである。
「香織ッ!?」
「え!?」
ルリ子さんの突然の大声に皆、注目した。
ルリ子さんの指差す方向に視線を移す。
部屋の窓際に半透明の人の姿があった。
小学校5、6年ぐらいの可愛い女の子である。
「か、香織…」
我を忘れて女の子を見つめる真澄さん。
女の子はあの…
私や杏里に霊界メールを送って来た香織さんである。
穏やかで優しい笑顔の香織さんは何も言わず…
静かに消えて行った。
仁美さんに憑依していた霊が成仏した事に、香織さんは安心して天国に行ったのかもしれない。
つづく。