心霊ファイル…怨み5-2
「うーぎぃやァーッ!!」
光を全身に浴びて、仁美さんは狂ったように悶え始めた。
勿論、苦しんでいるのは憑依している霊自身。
杏里が私たちに指示を出した。
「アンタたち早く!
仁美さんが逃げないよう押さえてッ!」
「!」
私と歩美さんは、慌てて中に入って仁美さんの体を取り押さえ始めた。
2人で仁美さんをグイッと押さえるんだけど、これが又一苦労!
仁美さんは喚き散らかしながら激しく暴れるから、注意しないとこっちがケガしちゃいそう!
杏里は物凄い顔をして、ツイン・ハンドパワーを施し続けている。
私たちも必死だし…
杏里も必死!
その杏里は語る。
「超高次元の聖なる清らかな光よ。でも…
邪悪な者、穢れき者たちにとっては、とても眩しくて苦しい光かもね」
「やめろォッ!! 苦しいーッ!! やめろォッ!!」
「だったら、思いを変えなさい。でないと…
苦しさからは解放されないわよ」
「やめろォッ!! やめろォッ!!」
「やめてもらいたかったら、素直になる事」
2階からけたたましく聞こえて来る仁美さんの怒涛のような叫び声。
真澄さんやルリ子さんはハラハラしながら耳にしていた。
「アナタ、仁美は大丈夫かしら?」
「だ、大丈夫だろう」
不安がっている奥さんを、真澄さんは落ち着かせた。
でも真澄さんでさえも、不安で仕方がないみたい。
そう言った2人を友里恵姉さんはシッカリと気持ちを落ち着かせた。
大丈夫、何も心配はないから。
仁美さんの声は家中は元より…
2階の割れた窓から外へと響き渡っていた。
既に深夜近くになっているから、隣近所に聞こえてしまっていた。
「柳沢さーん!」
近所の人たちが心配して集まって来る。
真澄さんが応対して事情を説明したけれど…
まあまあ、納得してくれたみたいだった