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背徳の時間〔とき〕
【その他 官能小説】

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背徳の時間〔とき〕B 後編-4

和気の服装はラフであっても、きちんとしていて、落ち着いた男の印象を真由花に与えた。



和気が立ち去ったあとも、和気のことばかりが気になり、真由花はそれとなくあちらこちらを目で探していた。



しかし、再びあった丸山に、和気は子供がまだ小さいので、早々に帰ったと聞かされ家庭があることを知った。



そうよね…。和気さんなら素敵な奥さんがいても、ちっとも不思議じゃない。



真由花はそれ以来、そう何度も自分に言い聞かせ、和気のことを頭の中から追い出そうとした。



しかし、出会った瞬間に真由花の胸に引火した火花は、消えることなく確実に種火となり、真由花の胸で燃え始めていた。



和気のこともあり、彼とも関係がぎくしゃくし始め、気持ちが不安定な時期が続いていた。



そんな時だった。



真由花が退社しようと、会社の玄関を出たところで、営業から戻った和気と偶然鉢合わせをした。



バーベキュー場で会ってから2週間後のことだった。


『あれ?染谷真由花ちゃんだよね…。俺のこと覚えてる?』



忘れるはずがなかった。



この2週間、和気のことを思うばかりに、夢の中にまで現れたほどだ。



「もちろん覚えてます。和気さんですよね。」



真由花は和気と再会できた嬉しさの余り、とびきりの笑顔でそう答えた。



『たしか真由花ちゃん、総務課に配属決まったんだよね。何で営業部のアシスタントに推薦してくれなかったんだって、丸山にえらく怒られたよ。』



和気はそう言って笑った。


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