秘密〜それぞれの想い〜-5
数日後の日曜日のこと。
この日、バイトは夕方からで、それまで私はすることがなく、お昼頃までベッドの中でゴロゴロしていた。
♪〜♪〜♪〜
私のケータイが鳴った。
この曲は電話。
相手は……陸先輩!?
部活の先輩たちとは、入部して間もない頃、皆で番号&アドレスを交換した。
交換したけど、電話やメールなんて、みー先輩としかしてない。
私は慌てて通話ボタンを押した。
「もっもしもし!?」
『何焦ってんの?』
「いや、先輩から電話なんて初めてなんで、びっくりして…」
『そっか。で、今何してんの?』
「え?家でゴロゴロしてました」
『こんな良い天気なのに?
もったいない。
ってか、日曜に遊ぶ相手もいないの?
寂しいヤツだね〜』
陸先輩の笑い声が聞こえた。
私はムッとして
「そういう陸先輩は、今何してるんですか?」
トゲトゲした感じで聞いた。
『俺?俺は今コンビニからの帰り。
飲みたいコーヒーが切れちゃってさ』
「こ〜んな良い天気の日に、行き先がコンビニですか?
寂しい人ですね〜」
イヤミをたぁっぷり込めて言ってやった!
『あはは。ホラ、俺今フリーだから、一人の時間がいっぱいあるんだよ』
「へ〜。で、何の用ですか?」
まだトゲを残して尋ねると
『ん?帰り道ヒマだったから、テキトーなヤツに電話しただけ。
おっ、もうすぐ家だから。
じゃあな』
ブツッ。
ツーツーツー…
「イミわからん!!」
私はケータイを思いっきりベッドに投げつけた。
(なんなんだ、一体!?)
一方的にかかってきて、一方的に切れた電話…
私は昔を思い出し、胸の奥が、痛く騒いだ…