SEXの条件・学級委員長 川崎静奈 A-9
「……お前……ひょっとして…俺のこと……」
「――そ…そんなわけないじゃない!」
しずが突然大きな声を出した。
「ア……アンタのことなんか……お…男と思ってないもん」
「……しず」
真っ赤になってうつむいたしずの横顔がむちゃくちゃ綺麗に見えて、俺は焦った。
しずが見知らぬ男と抱き合っている妄想がいきなり頭に浮かぶ。
――くっそ……なんやねん。
「好きでもない男に…んな顔見せんなや……」
気がつけば俺はしずの腕を捕まえて強く引き寄せていた。
「……あっ……」
身体を強張らせて短い悲鳴をあげるしず。
―――俺を男と思わないといいながら、その顔はどんどん俺を誘うような色っぽい表情(かお)に変わっていく。
矛盾するしずの態度。
ほんまのお前はどっちやねん……。
俺はそのまま半ばやけくそでしずを抱きしめ、無理矢理唇を奪った。
「……んっ……!」
急激な緊張に身を硬くするしず。それでも俺に強く抵抗しようとするそぶりはない。
ぷっくりとした唇の卑猥な弾力と、想像以上に華奢なウエストの感触に、俺の頭が混乱する。
気付かないうちに熟していた禁断の果実。
危険なほど甘美なその蜜の味。
今自分の腕の中にあるこの肉体に発情してしまうことに、俺は強烈な罪悪感を感じていた。
胸が張り裂けそうに苦しい。
悪いのはしずやない。
ほんまに矛盾してんのは俺や……。
俺はしずを抱く手にギュッと力をこめた。
男と女の友情なんかありえへん。