SEXの条件・学級委員長 川崎静奈 A-6
――あほくさ。結局俺そいつの身代わりってことやんけ。
げんなりしながらも胸元から覗く谷間に目がいってしまうのは、哀しい男の性(さが)。
実際別れてからも、誘いに負けて俺は何度かこの女と寝たことがある。
ヨリを戻す気なんて更々ないのはお互い様。
単にヒマだから。
ヤりたいから。
そういう理由で俺たちは抱き合う。
一瞬だけでも満たされたような錯覚に陥るために。
それはまるで安もののドラッグのように、俺に「刹那の快楽」と「強烈な虚しさ」を与える。
そしてその「虚しさ」をごまかすために、俺はまた「快楽」を求めてしまうのだ。
まるで薬物に依存するように、俺は雪乃とのただれた関係を絶つことが出来へん。
雪乃とこんなことを続けているうちは、俺は恋愛に対して投げやりな感情しか抱くことが出来へんのやろうと思う。
せやから……俺には好きな女を守ってやる資格なんかない。
俺は誘われればどうでもいい女と平気で寝てしまう最低の男や。
いつまでこんなことを続けるんやろう。
俺は―――
ほんまにこんなんでええんか?
「ね?いいでしょ。――久しぶりに……」
俺の思考をさえぎるように、雪乃が俺の首に両手を回して、いきなり唇に貪りついてきた。
「……彰吾……」
獣じみた激しさで下唇をきつく吸われ、生暖かい吐息を直接鼻にかけられる。
口の中でいやらしく形を変える雪乃の舌の動きに、俺の劣情がジリジリと煽られていく。
ひどくわがままで独善的なキス―――でもそれは17歳の俺をあっけなく発情させた。
胸板に押し付けられる甘く悩ましい女のカラダに、俺の中のオスが獰猛に反応し始めている。
こいつとヤっても虚しいだけやってわかってんのに……。
ほんま……俺ってアホやな。
いやあかんあかん――もうそろそろしずが教室に戻って来るはずや。
こんなとこアイツに見られたら――――。
湧きあがる欲情に押し流されそうになっていたが、すんでのところでなんとか理性を働かせる。