背徳の時間〔とき〕B 前編-4
しばし、湯を堪能していた和気だったが、おもむろに目を開き真由花を見つめると優しい声でこう言った。
『真由花、こっちにおいで。』
和気は真由花の手を取ると、岩風呂の淵に腰を掛け、隣に真由花を座らせた。
『真由花、タオルを取って真由花の身体を見せて。』
真由花はふいに発せられた和気の言葉に、羞恥心から胸が高鳴った。
「えっ…ここで?」
『そう…ここで。』
和気はイタズラっぽく笑っている。
「でも…誰かきちゃうよ。」
『大丈夫。今は真由花と俺の貸し切りだから。』
和気はさぁ…と言いたげな表情で真由花を促した。
ためらいがちな真由花だったが、少なくとも人が来ないことを知り安心した。
そして見渡せば一面に木々の新緑がまぶしいこの季節、露天風呂特有の解放感が、真由花をより大胆な気持ちにさせた。
『出来るね?ゆっくりとタオルを緩めて…。』
真由花は小さくうなづくと、和気に言われるがままに、そおっと胸の前のタオルを緩め始めた。
窮屈そうにしていた真由花の2つの胸の膨らみが、除々に解放され、形がくっきりと浮かびあがる。
『うん、いいよ。そのままゆっくり開いて…。』
和気の言葉に誘導され、途中までタオルを開いた真由花だったが…
「あんっ、やっぱりダメ…。はずかしいよぉ。」
そう言うと、開きかけたタオルを握りしめ、前を閉じてしまった。