心霊ファイル…怨み4-1
ルリ子さんは大事を取って、再び病院に入院する事となった。
すっかり元気になった杏里は、時間を作っての病院通い再開である。
そして更に…
仁美さんへの施しも行う事となった。
「吉岡さんのヒーリング、私もぜひ受けたい」
仁美さんは初めて、杏里の施しを受けたがるようになったと言う。
ここまで来れば、杏里も施しがやり易くなるだろう。
周りの期待も、高まっているし…。
これから忙しくなりそうな感じ…
…っかな?
さっそく杏里は私と一緒に柳沢家邸宅を訪れてみた。
「お手数かけます」
穏やかな表情で応対してくれた真澄さん。
歩美さんが私たちにアイスコーヒーを出してくれて、丁寧にもてなしてくれる。
今日も外は非常に暑いから、冷たいコーヒーはすごく有り難い。
コーヒーで喉を潤しながら私は、杏里の方に視線をやった。
リラックスした様子で、杏里はグラスを口にしている。
私は内心…
何か嫌ーな事が起きそうな気がして、不安になっているのだ。
まあ…
こう言った状況は今まで何回か経験しているから、本当なら何も心配する事はない。
杏里が本気になってパワーを発揮すれば、普段は肉眼では見えない光も見えるし。
しかしそれでも…
私の不安は拭いきれない状態である。
私の心境を察したように、杏里がソッと話しかけて来た。
「心配なの?」
「なあんだか、嫌ーな予感がして…」
「どんな予感?」
「分かんないけど…」
「私が殺されてしまう、予感だったりして」
「まさかァ、縁起でもない」
「有り得る事かもよ」
ちょ、ちょっと。
マジで言ってるのかと、私は思った。