心霊ファイル…怨み4-5
ルリ子さんの口から出たのは、御自身が犯した過去の過ちだった。
香織さんが15年前に病死した事を、私や杏里は歩美さんからメールで教えてもらっていた。
ルリ子さんはやはり、香織さんを死なせた事を認めた。
仁美さんが真澄さんたちに話していた通り…
ルリ子さんは香織さんをキチンとした看病もせず、ほったらかしにしていたと言う。
「お前、何故そんな事を? 香織の事が嫌いだったのか?」
「別に、嫌いじゃなかったわ」
「じゃあ何故?」
「あの子を見ていたら…
無性に腹が立っていたからよ。
理由も無いのに…
憎しみの思いも湧いていたし…変だったわ」
「変だった? バカな。 そんな気持ちになるのは、何か理由があるって事だろう?」
「理由なんて、分からない」
「分からない事はない」
「本当に分からないのよ、今でも」
「そんなバカな事が、有り得るか?」
すると、ルリ子さん…
テーブルをバーンと激しく叩いた。
私たちはビックリ!
「分からないから私ッ!!
あの時は凄く悩んでいたのよォッ!!」
かなり興奮しているルリ子さん。
「お母さん、落ち着いて!」
歩美さんがルリ子さんを抱き寄せるようにして、なだめた。
「…」
真澄さんは迷った。
かなり、思い詰めている奥さんに対して…
どう、声をかけたらイイのか分からないのだ。
ご自分の顔を手で押さえるルリ子さん。
「故意に、香織を苦しめたワケじゃないのにィッ!」
「わ、分かったよ」
溜め息付く真澄さん。
この時だ!
2階からガラスの割れる音がした。
更に、仁美さんの叫び声が聞こえて来る!