心霊ファイル…怨み4-3
「!!」
驚く仁美さん。
「!?」
仁美さんの顔を見た真澄さんは思わず、目をカッと見開いた。
何か怒りに満ちた怖い目で睨まれ、真澄さんの足が止まる。
「お父さん、危険ですッ! そこから離れてッ!」と、杏里は仁美さんの異変を感じて叫んだ!
仁美さんは急に立ち上がり、突然!
杏里に襲いかかった!
豹変した仁美さんに両手で首根っこを掴まれて、杏里は為す術がない!
「やめろ仁美ィッ!
何をするんだッ!?」
慌てて止めに入る真澄さん。
仁美さんは獣のような唸り声を発しながら、杏里の首根っこを締め付ける。
私と歩美さんは騒ぎを聞いて、部屋の中に入った。
中では、床に倒れ込んだ杏里に馬乗りになった仁美さんが…
相手の首を絞めている光景に目に飛び込んだ。
私は杏里を助けようにも、どうしたらイイか分からず立ち尽くすだけ。
真澄さんは夢中で仁美さんを羽交い締めして、杏里から引き離した!
仁美さんは激しく抵抗しながら、わめき出す。
しかも!
「畜生ォ、離せーッ!!
オレの邪魔をしよってッ!! 離せーッ!!」
これ…
仁美さんが口にしたセリフである。
激しい怒りに満ちた男性のような口調に、真澄さんや歩美さんは呆然!
仁美さんは真澄さんの手を払い退けると又、杏里に襲いかかった!
だけど今度は杏里はスキを見せない!
仁美さんに向かってサッと手をかざした杏里。
仁美さんは目に見えない、物凄い力によって後ろへ弾き飛ばされた。
壁に体を打ち付けた後、床に落ちてしまう。
「お姉ちゃん!」
歩美さんが慌てて、仁美さんの傍に駆け寄る。
仁美さんはグッタリしたまま、動かない。
杏里は汗ビッショリのまま、何度も大きく深呼吸した。
真澄さんが興奮気味で杏里に尋ねる。