心霊ファイル…怨み4-2
「なーんで、そんな事を言うの?」
「ウチの姉が、彩愛以上に私の事を心配しているからよ。今回の霊能活動って、すっごくヤバいんじゃないかってね」
「ヤバい?」
そこへ、真澄さんがやって来た。
「仁美が待ってます。
ココへ連れて来てイイですか?」
杏里が尋ねる。
「仁美さん、今どこですか?」
「2階の奥の空き部屋で待ってますが…」
「では私を、その部屋に案内して下さい」
杏里は立ち上がり、仁美さんのいる部屋に向かった。
2階奥の部屋は広さ6畳以上の洋間。
かつて、香織さんが使っていたらしいけど…
御本人が亡くなってからは全く、使われていないらしい。
何もない部屋で仁美さんは1人、窓際に椅子を置いて座っていた。
黙々とケータイを操作している。
部屋の中には、真澄さんと杏里が入った。
私と歩美さんは廊下で待機である。
仁美さん…
真澄さんや杏里が入って来たと言うのに…
ジッとケータイ画面を見続けたまま、2人に振り向こうともしない。
「仁美、吉岡さんが来られたぞ。ケータイを止めて、挨拶しなさい」
「…」
え?
父親の声が聞こえないのか、ケータイを扱い続ける仁美さん。
「仁美?」
「…」
仁美さん、反応なし。
「仁美ィッ!」
しびれを切らした真澄さんが仁美さんの傍に歩み寄って、ケータイを強引に取り上げた。