ハニードリッパー3-3
… … … …
時計が鳴っている…
ケイジ…!!
眠っちゃってたんだ…
話しの途中で
ケイジは私の隣でまだ眠っていた。
一晩中ずっと抱いていてくれたんだ。
パタパタと支度をしながら、ケイジを起こさなくていいのかしら?…
そんな事を考えていた。
ケイジと一緒に暮らしちゃおうか…
私はそんなとりとめのない事をふと考えていた。
とりとめのない事とはケイジは普通の生活ができないだろうという概念と私自信の願望からだ。
でも…
[ 早いなぁ… ]
ケイジが起きてしまった。
狭い部屋だからしかたないけれど私がそばでパタパタしだしたからだ。
[ 今起こそうかと思ってたんだけど…
今日バイトは? ]
[ えっと…今日は金曜日だから夜だな ]
夜の仕事もしてたなんて知らなかった。
[ 夜も仕事してんだ… ]
鏡の中で寝不足の顔に口紅を塗りながら私は言った。
[ ねぇ、何やってるの?
まさかホストとか… ]
ケイジがホストでリタはスポンサー?…
ケイジはまたベッドに崩れてしまった。
この野郎!私も隣で眠りこけていたい。
[ いや…トラック
夜中に朝一番の荷物を積み込むんだ ]
ホストも変だけど、真夜中の倉庫で手袋はめてタオルを首にかけてるケイジも変…
好きな生き方って楽じゃないんだなぁ…
なんて私は納得する。