ハニードリッパー3-2
… … … …
ケイジが部屋に来たのは一時間ぐらいしてからだった。
その間にシャワーを浴びて部屋を少しはかたずけて、おなかが空いてないだろうか?…などとそわそわしている私がいた。
男にのめり込んでしまうと気力体力勝負になってしまう…
今夜も眠れないなぁ。
私は生あくびをしてケイジを迎え入れたが男にこんなになるのは久しぶりの事なのだ。
普通の男ならつまんなければ乗り換えがきくけれど、ケイジは別だった。
今思えば、私には男を自慢する友達はいても男の相談をする友達はいない。
逆にこの状況を自分が相談されたなら…
ついて行く自信がなければケイジの事はパス…
そう回答するだろうな。
ケイジはパスか…
私にとってすべてにおいて良すぎるのよね。
[ 急に帰ったからさ…
気になっちゃって ]
[ あ、ごめんね
私ちょっと変だっただけ…もう大丈夫 ]
[ 何で今は大丈夫なんだ? ]
[ 何でって… ]
ケイジは珍しくイライラした様子だった。
あんたのせいじゃない。
それぐらい分かるでしょ?
なに勝手にイライラしてるのよ…
[ ケイジにさ…
言いたい事言えたし…
私たち昔と変わらないよね ]
[ そうかなぁ? ]
[ じゃあさ…
今はどんな風に見えるの? ]
ケイジはしばらく考えてから
[ 何だろう?
今のミキは昔のミキと違うよな… ]
なぜかまた腹が立つ…
私って何でこうなんだろう?
[ セックスしちゃったから? ]
[ それもあるけど、ミキは昔のミキじゃないな ]
[ ケイジは…
あまり変わらないね ]
それを呟くと同時に、また涙がポロポロこぼれ始めた。