手紙 〜side 恵〜-6
*******************
白木 恵 様
恵ちゃんが、これを読んでるって事は、きっとあたしがいなくなったんだよね?
恵ちゃん、泣いちゃったりしてない?
ちゃんとごはんは食べているかな?
なんかね、やっぱりね、自分が死んじゃった時のことを考えちゃった。
また、ばっかじゃねーのって、恵ちゃんに笑われちゃうかもね。
でもさ、わかんないじゃない?
もしかしたら、急に病気になっちゃったのかもしれないし、事故に遭っちゃったのかもしれない。
人っていつかは死んじゃうけれど、それがいつなのかなんて分かんない。
だから、なにかあったときの為に、恵ちゃんに手紙を書くね。
もし、もしさ、あたしと恵ちゃんが、昨日喧嘩していたとしてもね。
なんで喧嘩したままだったんだろうとか、思わないでね。
自分を責めたりしないで。
どんなにひどい喧嘩していたとしても、あたしが恵ちゃんを大好きなことは、変わらないんだから。
ずっとずっと大好きだよ。
あ、恵ちゃんのニラ玉も、だーい好き!
いつも、おいしいごはんを作ってくれてどうもありがとね。
あーあ、これから先、ずっと恵ちゃんといたかったな。
もう、一緒にいられないことはすごく悲しいけれど。
どうか、どうか、恵ちゃんが幸せになれますように。
そう願うよ。
他の人を好きにならないでなんて、言わないよ。
あたしのことも忘れないでなんて、言ったりしないんだから。
だって、恵ちゃんが幸せになれるなら、あたしも幸せ。
これを愛っていうのかな?
代わりにプリンを食べて、たまにあたしのことを思い出してくれたらいいや。
いつも半分しか、プリン食べられなかったもんね。
しょうがないから、一個丸ごと食べてもいいよ。
書き出したら、止まらないから、そろそろ終わりにするね。
ねぇ、ずっとずっと大好き。
どうか、恵ちゃんが幸せでありますように。
萩原 美優
******************