ハニードリッパー2-1
なんだか違うな…
真っ白な天井を見つめながら、私はケイジの腕の中で思った。
ロック一色のケイジならセックスも激しくて、音楽なんかガンガンかけながら抱かれたりするような気がしてたのに…
静かで穏やかな快楽が私を包む。
あっ…いや…
濡れた部分に舌の感触が伝わった。
ゆっくりされてるのに身の毛もよだつようなゾゾっとした刺激がゆっくりと何度も私を深みに引き込んでいく。
私はいつから抱かれるつもりだったんだろう?…
いつから抱かれたかったんだろう?
今日のこの日を迎えた朝?
駅の近くまでケイジが走って連れ戻しに来てくれたから?
[ あぁ…やだぁ… ]
びしょびしょになった指を私はぎゅぅっと締めつけた。
気持ちいい…
緊張と不安と…
何だかとてつもないエロチックな気分が
舌をぬるりと這わされた時に荒い波に押し流されたばかりなのに、私は体を震わせながらまた感じている。
本当に不安だったのは汗の臭いなんかじゃない。
きっと激しいセックスに私なんかにケイジの相手ができるだろうか?
そればかりが私の中に渦巻いていたからだった。
[ 付けた方が…
いいよな? ]
ケイジは一旦私の体から離れて部屋の中をガサガサとひっくり返している。
コンドームを探しているのだろう…
ベッドの上に放置された私は少しの間の休息とまだ続く期待の中でゆっくりと呼吸をした。
悪い気分ではない。
[ どんなヤツが… ]
ぎゅうっと押し広げるようにケイジが私の中に入ってきた。
はぁっ…
思わずため息を漏らした時にケイジは何かを言いかけてやめた。
気持ちいい…
とっても気持ちいい…
そう、こうなりたかったの私…