背徳の時間〔とき〕@-1
「はんっ、ふぅ…あんっ、イヤァ―――ッ。」
真由花は、絶頂を迎えるときに発する独特のかすれた喘ぎと共に、激しく腰をくねらせ意識を跳ばした。
真由花は和気に背を向けて横たわっている。
投げ出されクロスした、細くなめらかな足を、合わせることもできないまま。
肩を上げ下げし、わずかに開いた唇からは、長く続いた和気との交わりの余韻を味わうかのように、ゆっくりと熱い息を吐き出している。
『……ゆか、…真由花。』
ふいに誰かが真由花の名を呼ぶ。
まどろみの中、和気の低く落ち着きのある声が聞こえた気がした。
柔らかな雲の波間を彷徨っていた真由花を、和気が自分のいる世界へと呼び戻したらしい。
真由花は、まだ身体にまとわり付いて離れない、和気との交わり直後のけだるさを振り払うことができずにいた。
つい先ほどまで、下半身に埋め込まれていた異物が取り去られたあとの、ある種の空洞感を感じながら、ベットに手を付き、ゆっくり身体を起こし、和気の方に向き直った。
和気が、冷蔵庫から取り出したばかりのペットボトルの冷たい水を口に含み、真由花の口元にそっと運ぶ。
そして真由花の薄く開かれた口に注ぎ込んだ。
ゴクン、ゴクン…。