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ネコ系女
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ネコ系女 #5-5

【ネコ系女はめちゃくちゃ寝付きがいい】




昨日はあのまま寝てしまったので、シャワーを浴びてからくれいむに向かった。
姫代は私を見るなり走り寄ってきて

「どうだった昨日は!?」

と嬉しそうに話しかけてきた。
どうやら姫代は何か良い知らせを期待しているようで、ねっねっと私の周りをくるくる廻る。

「あのね、あいつには彼女がいんの」

「え、カノジョって…へ?」

私はロッカーにバッグと服をしまい、制服に着替えながら言った。

「最初っから彼女がいんの。私はそれ知ってたの。だからどうもなんないし、これから先、二度と会うこともない。強いてどうかなったって言うなら、うちらの関係は昨日で終わったってこと。以上!」

バタンとロッカーのドアを閉める。
姫代の方は見ずに鏡へ向かって、髪を一本に束ねた。二つに分けて両端にギュッと引っ張ると、気持ちが引き締まる。
今にも泣き出しそうな姫代を残し、私は休憩室を先に出ていった。




仕事はいつも通りそつなくこなした。にっこり笑って一人一人丁寧に接客した。いや、いつも以上に愛想良かったかもしれない。
大きく違ったのは姫代の元気がなかったことだ。
理由は私だ。私が悪いのだ。
本来ならば姫代にあんな話するんじゃなかった。私を思うあまり、私以上に落ち込んでしまう。
「朝希は辛かっただろうに、どうして私はあんな無神経なことを言ってしまったんだろう。何で気付いてあげれなかったんだろう」
と、窓の外を見つめる横顔がそう言っていた。
だから彼女の存在を言わなかったのに。
ごめんね、姫代。
私あんたみたいに優しくないから、あんたがこうなること知ってて言っちゃった。おかげで、あんたが落ち込んだ分だけ私は少し楽になった。
姫代、ごめん。


【ネコ系女は冷たい。けど根っこはほんのりぬるい】


結局そんな日が何日か続いて、月曜日がやって来た。
胸がモヤモヤして気持ち悪いけれど、それに似合わず外は快晴。
無理矢理テンションを上げて、支度をした。
顎髭が、家の近くのコンビニまで車で迎えにいくと言っていた。
さて…行きますか。


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