難攻不落の科学要塞 前編-1
トモ「おい知ってるか」
タカ「なんだ?やぶから棒に」
トモ「放課後の科学室は通称"難攻不落の要塞"と言われ、科学部以外の人間の一切の入室を許さないらしい……」
ユッキー「そんな大げさなー」
タカ「ほぅ…面白いな。一体、科学部は放課後に何をしてるんだ?」
トモ「噂では、"違法ギリギリの危険で高価な薬を開発してる"とか、"ある本を使い、女体の神秘を解読してる"とか、"幼女を拉致監禁してる"とか。全く、本当だとしたら許せんことだ」
ユッキー「いやいや、それありえないから」
タカ「まぁ所詮は噂だろう。……しかし本当は何をしているのか気になるな」
トモ「だろう?幼女監禁なんて許されんだろう?大いなる悪には正義の鉄槌を」
ユッキー「トモ、まだ科学部が何してるか分からないからね」
タカ「よし、俺らで科学部が何をしてるのか調べてみよう」
ユッキー「ちょっと怖いけど……面白そうだね」
トモ「うおおお!今こそ剣を掲げよ、民衆たちよ!」
タカ「俺のシャーペンを掲げるなバカ」
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タカ「軽く聞き込んできたが、まず鍵がかかってて入れないらしい」
トモ「鍵くらいなら大丈夫だ。好きな子をストーキングするとき用に、ピッキングはマスターしてある」
ユッキー「トモ……それ本当?」
タカ「マジなら引くわ」
トモ「まだ一度も使ってないからそんなに引くなよー」
ユッキー「クネクネしながら近づいてこないでよ!」
タカ「……で、だ。鍵は何とかした連中がいたらしい。爆破なり、マスターキー強奪なり、窓侵入なり、方法なんて探せばいくらでもあるからな」
ユッキー「それもどうかと思うけど…」
タカ「驚くのはここからだ。」
トモ「……ゴクッ」
ユッキー「……」
タカ「科学室に入った途端、もの凄い異臭がしたらしい。んで侵入者は毒ガスかと思い、即座に脱出したそうだ」
トモ「毒ガス……」
ユッキー「いやいやいや……」
タカ「まぁ実際……すごい臭いらしいのは確かだな」
ユッキー「科学室の中はどうなってたの?」
タカ「すごい煙で前が見えなかったそうだ」
トモ「まさか……田中バースト3号か?」
ユッキー「え、なにそれ」