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距離〜佐山から見た視点〜
【青春 恋愛小説】

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距離〜美沙と賢〜-2

「もしもーし。私だよー」

「あー。どうも」

「しかし君は無愛想だねー」

「話し始めでいきなりそんなこと言う田中さんも相当無頓着だと思うけど」

「これでも学校ではそこそこ人気あったりするらしいのよー、私はー」

「そう」

「そこんとこ全く興味ない感じかー…」

「まぁね。人気どうこうって話よりも俺が直接どう感じるかの方が大切だと思うし」

「むー…。で、本日で二回目の電話になるけど、私の印象どうだー?」

「面白いと思う。話し方とか、すげー間延びしてんじゃん。頭悪そうっつーか、アホっぽい」

「ズバズバ言うねー。これは生まれつきだから勘弁しておくれよー」

「嫌な気はしねーよ。うちの学校にはいないタイプの女の子だから、寧ろ話してて新鮮。あと意外とかわいい」

「それ誉めてるのかー?」

「俺なりにな。あとそんな話し方のわりに頭良いってギャップもポイント高いよ」

「ギャップがあると良いのかー?」

「俺の場合は、ね」

「ほーぅ。あ、実はこの前は隠してたけど私タバコ吸ってんだー」

「マジ!?すげー意外…」

「これもギャップだろー」

「…あぁ、まぁね…。じゃあさ、逆に田中さんは俺の印象どうよ?」

「無愛想。声低い。口悪い。良くも悪くもハッキリしてる。理屈っぽい」

「“印象”じゃないのも入ってるけどな」

「あ、あとすぐに人の揚げ足を取る」

「…………ろくなもんじゃねーな、俺」

「でも実は人との会話を成り立たせるのが上手い。実は優しい。実は顔が良い」

「その“隠れ”的な言い方やめろよ…」

「これでも気に入ってんだぞー」

「えらく上から目線だな。悪い気はしねーけど」


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