……タイッ!? 第三話「診察しタイッ!?」-32
「どうしよ、どうしたい?」
「あたしは……あ、熱い……」
ビクンと肩を震わせる綾にうろたえる紀夫。自分はまだ一ミリも動いていないはずなのに。
「なんか、紀夫の、あたしのイイトコにあたってるっぽい……」
綾はゆっくりと顔を上げ、紀夫の頬に力なく当てて言う。
「うん」
「だから、もう少し、あっ……」
またも戦慄く綾は紀夫に喉仏を見せ付ける。すらっとした首と大人びた鎖骨を前にすると、さらに冷静さを失える。が、こらえ性の無い息子は肥大と収縮を繰り返し、欲望を吐き出そうとしていた。
「まだだぞ、まだ動くなよ……あ、駄目だ、そんなふうに動かれると変になる……」
腰を横に振りながらズププと肉棒を咥えこむ。
「すごい、綾のが俺のを飲み込んで……」
「な、なにいってん……だよ、お前の小さい……のじゃ、入ったかさ、わかんないって……」
女子に優しいサイズの息子でも馬鹿にされるのは癪なもの。ムッとした紀夫は「なら感じさせたげる」と小さく呟き、ぐいぐいと押し込んでいく。
「ん、んぁ、駄目、動くなって、もう……駄目なんだってば、あんたのイイトコにあたる形だから、アタシばっかりイキそうになる」
嫌がるように胸をどんどんと叩いてくる綾に力はなく、猫背をさらに丸めてひいひい泣き喚く。
「ふんだ、どうだ、綾、俺の、いいだろ? いいんだろ?」
亀頭の敏感な部分で綾の内側を擦る。愛液に満ちた膣内の形はすでにわからず、それでもきゅうきゅうという締め付けに煽られる。
絞られるという感じが強く出ており、一方で綾は撫でられるという感じに馴らされていた。
「紀夫、のりお……、ねえ、のりお……」
不安定な音程で名前を呼ばれるのは不思議な感覚だが、紀夫はシャツにしがみ付く彼女を抱き寄せ、髪を梳く。
ボーイッシュな短髪は手に絡まず、これまでの綾を連想させる。けれど胸に顔を押し付ける様子はコレまでのイメージも無い。
「あ、あや、綾……俺」
「な、に? な、んはぁ……に……? ねえ、なあに?」
声をかみ殺しながら言う彼女だが、途中何度も喘ぐ声が漏れる。
「俺、もう……いきそ……」
既に限界に達しつつある亀頭は倍近く腫れあがり、表面積一杯に綾を感じてしまう。
「なんだよ、だらしねーの……ん、まあ、特別な……特別一緒にイッテやるよ……」
弱音を吐く紀夫に対し、綾は優位性を保とうと特別を強調する。けれどしがみ付く手を離す素振りもなく、潤んだ瞳は既に限界に達していた。
紀夫はどうせ射精するならと腰をねじ込むように突き動かし、鎖骨に歯を立てる。