……タイッ!? 第三話「診察しタイッ!?」-24
「おい、やめろ、もういい。分ったよ。あたしは別に変じゃないから……」
「何聞いてたの? 俺は変だって言ったんだけど?」
「な、馬鹿……そんな、誰も舐めろなんて……」
「綾の汗を舐めるとなんか不思議な匂いがするんだ……、ぼうっとするような、でも、すごくはっきりと……綾のこと、わかる気がする」
「わかる? あたしを?」
「今はまだわからない。けど、もう少し続けたら、もっと、綾のこと……」
膝の皿を弄り、太腿の外側を撫でる。
何故こうも大胆に彼女を求めてしまうのか彼自身不思議であった。
理恵にお預けを喰らったから? それとも裕子の余計な一言。もしくは不完全な密室での二人きり。熱のこもった今、この瞬間のせい……。
「はむ……ちゅ、れろ……」
裏側を撫でると拒まれる。なのに、表から回って内側を弄ると……。
「ん、んぅ……あはぁ……」
甘美なため息を漏らし、抵抗をしない。それどころか左足を楽にしだし、靴下を放り投げる。
「なぁ、約束だぞ。足も……な?」
「うん……」
一旦身体を退き、手探りでくるぶしを目指す紀夫。本当は薄く見通せるのだが、さすりながらの方が気持ち、嬉しかった。
「綾の足……」
糸くずのようなものをはらい、指の隙間に指を差し込む。湿った感じと汗の凝集した匂いに面食らうものの、蹴飛ばされること覚悟で親指を口に含む。
「あん、馬鹿! そんな、いきなり……」
びくりと震えた彼女の足は逃げようとするが、即座にそれを押さえつける。
遠めに綾がベッドの手すりを掴むのが見えた。彼女は二の腕で口元を隠し、たまに背を丸める仕草をしていた。
「綾の足、臭い……けど」
指の隙間の埃を取り除き、汗とも垢ともつかない汚れにすらひるまずに舌を
「けど?」
「俺、変なのかな? やめられない……」
自慢の足と言うだけあって入念に手入れをされている足は角質も目立たず、ほのかな酸味と塩気をくれる。
そして興奮。
自らの行為を冷静に考えれば、それは不自然。およそ睦みあう行動と言いがたい。むしろ奉仕……。
「あ、ん……」
傍にあった枕を抱きしめて声を押し殺す綾。そのくせ愛撫を求めようとつま先を差し出して裏を見せる。