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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第三話「診察しタイッ!?」-18

「あ、それとセックスするときはちゃんとゴム使えよ? なんてな。あっはっはっは……」

 豪快な笑い声と一緒に足音が遠ざかっていった。

「あー、あのさ、その……なんだか台風みたいな先生だね。菅原先生って」

「そうだな」

 裕子の余計な台詞のおかげでまたもとの木阿弥とかした二人の関係。もう一度暑苦しいマネージャーを演じようにもどこか醒めた雰囲気が保健室に充満しており、言葉も見当たらなかった。

「……あのさ、さっきの続きだけど……」

 と思っていたところに綾のほうから助け舟が出される。

「う、うん? うん。なに?」

 意外と思える展開に驚きを隠しつつ、紀夫は鷹揚に頷く。

「えっと、気にならないかな? 匂いとか」

「匂い? 匂いって俺?」

 自分では自分の匂いが分からないもの。この前理恵に汗臭いといわれたのを思い出すが、夏なのだからしょうがないこと。エチケットスプレーを使えということかもしれないが、部活の間噴霧し続けるわけにもいかない。そもそも、綾とこの距離で話すことなどそうそう無かったハズ……?

「違う。お前じゃなくて……」

「それじゃ洗濯物? 柔軟剤とか気をつけてるんだけど……」

 ついでに言うと部屋干しもしていない。特におかしな匂いがするといわれたことも無く、思い当たる節がなかった。

「いや、その……やっぱいいわ。うん。ありがと」

 質問を途中で打ち切る綾は明らかに何かを隠している。その証拠に紀夫の視線から逃れようと必死に視線を宙に泳がせる。

「日吉さん? 俺のこと信用できない?」

「ああ」

 即答にはめげるが、ここで退いては活路が無いとばかりに食い下がる紀夫。

「俺は日吉さんのこと信じてるよ。日吉さんはすごいアスリートだし、総体でも入賞した。来年なら全国とか本気で狙える人だって思うし、そのために力になりたい。そういうの、信じて欲しいな」

「う、うん……」

 人を避けるがそれは本心ではない。熱血路線の綾ならきっと食いつくであろう言葉を選びつつ、見事に動揺を誘う。

「あのさ、笑うなよ? 絶対に笑うなよ」

「うん」

「えっとさ……あのさ、あたしってさ……変かな?」

 変といわれればここ最近の彼女の態度は意固地そのもの。確実に変であった。

「変って? どういう意味で?」

 もちろんそこが問題なはずも無く、紀夫は首を捻るばかり。


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