距離〜順平と杏〜-4
「えーっ!?そんなことないっすよ!剛なんかに比べりゃ全くの下火っすよ」
「そう?でも二年生でも順平くんに興味持ってる人、多いよ」
「はぁ…まぁ、光栄っす」
「順平くんはその……年上ってどう?」
「年上っすか…。正直、好きっす!今までも年上の人としか付き合ったことしかないんで」
「あ、そうなんだ…。その……それでさ、順平くんって今彼女いるの?」
「函南先輩が教えてくれたら言いますよっ」
「私は…彼氏いるように見える?」
「いても全くおかしくないっす!」
「それがね、いないんだ」
「あれ!?桧山先輩は?よく二人でいるとこ見掛けますけど」
「桧山くんとは生徒会も一緒だから、たまたま二人でいることが多いだけだよ」
「そうなんすか。なんか桧山先輩からは“好き好きオーラ”出てるように見えるんすけどね」
「そっ…そんな…。私はそんな気は無いんだけどなぁ。あ、それより順平くんは?」
「俺っすか?いません!半年くらいいません!募集中っすよ!」
「そうなんだ。順平くんこそ彼女いそうなのに。告白されたりしないの?」
「極稀にありますけど、無いっすよ。丁重にお断りさせて頂いてます」
「どうして?」
「そこまで言います!?」
「あ、ごめん…無理に言わなくてもいいよ…」
「あ、いや……えーっと…、好きな人いるんで」
「あ…、そうなんだ………そっかぁ……」
「そうなんです…。誰かは聞かないんすか?」
「え?だってそこは…ね」
「まぁここだけの話、函南先輩になら教えちゃいますよ」
「え、本当?」
「はいっ」
「じゃあ聞いちゃおっかな」
「うすっ。俺の好きな人はですね…」
「うんうん」
「これまた年上なんすよ」
「うんうん」
「それで、同じ高校の先輩なんすよ」
「えっ、うちの学校なの?」
「そうなんすよ。でね、その人は黒髪のストレートで、綺麗なんすよ」