距離〜順平と杏〜-2
「そろそろ切り上げますかー。剛、いいか?」
「だなー。もう6時だしー。続きはまた明日だなー」
「そろそろ文化祭用に振り考えないとな」
「あーそうだ。まぁその辺も明日詰めよー」
「ですね。じゃあ進もよっちゃんも、今日は終了!」
「うぃー」
「お疲れっす!」
部活は基本的に夕方6時には終了。
どの部活も大会が間近等の理由意外では、あまり延長はされない。
「順、これからレコ屋行こうぜー。“ヒップホップレア盤大放出”ってメール来てたからさぁー」
「あっ、わりぃ。俺この後生徒会室行かねーといけないのよ」
「ダメー」
「ダメとか言うなよ…。文化祭のイベント参加の用紙に不備があってさ…」
「よっちゃんに書かせたやつだっけー?」
「そうそう。誤字脱字がハンパなかったらしくてさ、書き直さねーといけねんだよ」
「よっちゃんはおバカさんだからなー」
「その尻拭いを部長がやらされるわけ…。すまんけど今日は剛独りで、な?」
「呪い殺す!」
「なんでだよ…」
「嘘だっちゃ。しょうがないなー。あ、漢字が分かんなかったら携帯の変換使えよー。便利なのよー。順もバカだからなー」
「余計なお世話だ!」
「はいはーい。じゃーお先にバイバーイ」
「うっす。お疲れーっ。…さて…」
西棟4階の生徒会室。
コンコンッ
「失礼しゃーす」
「あ、順平くん」
「あら、函南先輩だけっすか?」
「うん。他の人達はもう先に帰ったよ」
「なんで先輩独りだけ?」
「さっき生徒会の片桐先生に急に頼まれ事されてね。ところで順平くんは?」
「あ、うちのサークルのアホが文化祭参加用紙を書き間違えてたらしくてですね、俺が書き直さないといけないんですよ。でも担当の桧山先輩も帰ったんならどうしようもないっすよねー…。帰ろっかな…」
「あ………その書類なら私も場所分かるよ。出そうか?」
「マジすか?申し訳ないっす!」
「気にしないで。あ、座っていいよ」