距離〜佐山からの視点 3 …と、愉快な仲間たち〜-6
「ね、幸」
「ん?」
「愛してる」
「…うん」
「………」
「ね、剛」
「ん?」
「私も、愛してるよ」
「…おぅ」
「…ちょっと賢、邪魔っ。二人がよく見えないのだー」
「あ?美沙の場所が悪いんだろ」
「まぁまぁまぁ。あんまりデカイ声出すと向こうさんにバレんよ」
「だろ?順平の言う通りだって」
「むー。あんた方男性陣はデカイから見えるだろうけど…私の位置からじゃ…もぅ」
「あっ…膝枕してる…」
「おいおい。熱いなーほんと。羨ましいぜ」
「ちょっと賢、私に何か不満あるのかー?」
「はー?誰もそんなこと言ってねーだろ」
「まぁまぁまぁ、落ち着けって。それよりもさ、そろそろ俺らも顔出さね?覗きは良くねーって」
「確かにな。つか進もよっちゃんもさっきから全然喋ってねーじゃん…」
「……観察するのに夢中でよ…」
「よっちゃんに同じく……。って、あーっ!!キスしてる!!」
「えーっ!?」
「キス…しちゃったね…」
「おぅ」
「私…初めて…」
「おぅ」
「剛は…?」
「えーっとね…」
「あ、いいや、聞かない。てか聞きたくない…かも」
「…おぅ」
「誰かと付き合うのも…私初めてなんだよ…」
「じゃあ幸の色んな初めては、俺が頂戴出来るわけだ」
「………うん。ね、もう一回…キスして?」
「…おぅ」