距離〜佐山からの視点 3 …と、愉快な仲間たち〜-5
「バカ剛…。なんで気付かなかったの?私だって…ひっく……ずっと…ずっと…好き…ひっく…好きだった…んだから…ふぇっ…」
「幸…ごめんね…」
「ふぇ……んーっ…いいよ…大丈夫。これから…埋めていこうよ…ひっく…」
「うん。てかさ、これ涙?鼻水?後者は勘弁してよー」
「ん……鼻水だぞ…」
「うぇっ、マジっ!?」
「へへ…嘘だよ、ばーか…」
「なんだよ…。…幸って、そんなに泣くんだねぇ」
「全部剛のせいだぞ…責任取ってよね…」
「おぅ。嫁にしてやる」
「はは……よろしくね、旦那様」
「良い響きだ」
眼を閉じて話している剛の長い黒髪に触れてみる。
少しウェーブがかかっていて、いつ見ても色っぽい…。
「ね…剛って天パ?それともパーマ?」
「パーマ。地毛はサラサラストレートの猫っ毛なのよ」
「そうだったんだ」
「そう」
「ふーん」
「え、終わり?」
「うん、終わり」
「いいね。そういうどうでもいい会話、好きさ」
「ははは」
なんだろう…凄く心地良い…。
ホッとする。
「ねぇねぇ、美沙っちと何話したの?」
「え?あぁ…二人で会うなんてチャンスだから、私から告白しろって…」
「ほーぅ。じゃぁ俺が黙ってれば、幸から告白して頂けたわけですな」
「それはっ……」
「ははは。いいよいいよ、俺の最初で最後の告白は、幸にあげる」
「最初で最後?」
「だってもう幸としか付き合わないから。ずっと一緒でしょ?」
「うん…」
よくこんな事を堂々と…。
私は顔から火を噴きそうなのに…。